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【キャンパスの生きものたち7】クマゼミ

 大阪の都市部の「セミ相」はクマゼミに席巻されてしまった、と言っても過言ではありません。私が小学校低学年だった頃、クマゼミはまさに「レアもの」で、クマゼミを捕まえたときにはテンションがとてつもなく上がったものでした。どっしりとした体格、光沢のある深緑色の背面、透明の翅に明るい緑色とオレンジ色の翅脈、腹面は白を基調とし、雄の場合は「腹弁」とよばれる部位が印象的なオレンジ色、そして「シャアシャアシャア…」と周囲に響く大きな鳴き声…クマゼミはまさに「セミの王様」の風格を十分に備えていました。

 クマゼミは南方系のセミと言われており、都会のセミがクマゼミばかりになったことは温暖化やヒートアイランド現象との関連で説明される意見もよく耳にします。生駒山系の少しだけ高い標高の場所まで登ると、クマゼミの声はパタリと聞かれなくなります。これが結構ハッキリしていて面白いものです。

 

【問題】 昨今、気候変動に関する話題がよくあがりますが、その影響が生物の消長に影響している身近な例を挙げてみよう。

 

 「指標生物」という言葉があります。環境の変化に敏感な生物を対象として、その生物の分布や個体数を調べることで環境の変化を明らかにしようとする場合に扱われる生物のことを言います。一口に環境の変化と言いますが、実際の生態系はとても複雑で、かつ複数の要因が相互に作用しあっている場合も多いと考えられます。物事を分析する際には、確かに要素に還元する方法も有効ですが、相互作用も含めた総合的な変化を捉える視点も重要なのです。やはり生物たちから教えられることはたくさんあります。

 

 梅雨が明け、夏の暑さが本格的になる頃の朝、「今日も暑くなるんやろうなぁ」と思いながら出勤すると、公園やちょっとした植木のある場所を通るとクマゼミの大合唱に遭遇します。「朝から、お前たちは元気やね~」と半ば呆れながら、それでもちょっとだけ元気を分けてもらえた気になります。

 

【キーワード】ヒートアイランド現象  指標生物

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