大阪国際中学校高等学校

教職員おすすめ図書シリーズ(前川 知子)

みなさん、こんにちは。

この企画。本校の個性あふれる教職員の紹介とともに、どうぞ!

第24弾は、ある時は進路部で生徒たちを明るい未来へと導き、そしてある時はクラブ活動で部員たちを優しく包み込む、国語科のスーパーティーチャー・前川知子先生です!

前川 知子

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氏名:前川 知子
教科:国語科
座右の銘:棚からぼた餅
好きな食べ物:パイナップルの芯
趣味:仏像鑑賞 おススメの仏像は、薬師寺東金堂の聖観音

『人類の起源』

著者:篠田謙一 出版社:中央公論新社

❶この本を読んだきっかけ
とあるTV番組で、「下戸(お酒が飲めない体質)は長江流域に遺伝子の突然変異で生まれた人の子孫、だからコーカソイドにお酒が飲めない人はいない。」という話を聞き、なぜそんなことがわかるのかと、非常に興味を持ちました。この話をしていた人が今回紹介する本の著者です。

❷かんたんな内容
著者は「分子人類学」という聞きなれない学問分野の研究者です。「分子人類学」とは古代の人骨試料などを解析することで、過去における集団の移動や拡散、あるいはその起源について研究する学問です。2010年以降は古代の人骨に残る核DNAの分析までもが可能になり、DNAデータをもとにした人類の系統研究から新たな事実が次々と明らかになっているそうです。
『人類の起源』では、人類の起源からアフリカでのホモ・サピエンスの誕生、ホモ・サピエンスがいかにして世界中に移動し、集団を形成していったかということを、最新の研究から解明しています。中でも私が一番驚いたことは、絶滅したネアンデルタール人のDNAがホモ・サピエンスとの交雑により、私たちの遺伝子の中に残っているということです。新型コロナウィルスのワクチンによる副反応を起こす原因や、重症化させる原因となる遺伝子もネアンデルタール人から受け継いでいるということでした。
日本人のルーツについて従来は、「縄文人」と「渡来系弥生人」の二重構造という単純な成り立ちが定説となっていました。しかし、DNAを解析することで、時代や地域や文化によって異なる手段の移動や、「縄文人」と「渡来系弥生人」が混血をしてゆく複雑な過程が具体的に見えつつあります。
理系が苦手な私にとって、難しい用語や内容もありましたが、「考古学」とは異なるアプローチから先史時代の人類の一端を知ることができた楽しい一冊でした。

❸おすすめする理由
「理系無理!」と思い込んでいた私にも、それなりに楽しめました。文系人間にも是非、読んでもらいたいです。また、この本を読んで、「非常によくわかった!」という人は、それなりにしか理解していない私にわかりやすく解説してください。お願いします。

❹みんなへのメッセージ
小説を読むことはもちろん楽しいことですが、新書などの説明文は、自分を知らない世界へ誘ってくれる「発見の読書」ができます。自分に興味が持てそうなテーマを探して、一冊すべてが無理なら部分的でもいいので、新書にチャレンジしてみてください。

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