冬のビオトープは静かな佇まいで、咲く花も、飛び交う虫たちもめっきり少なくります。でも、そんな季節に元気よく黄色い花をつけている植物があります。ツワブキです。
ツワブキが食用になることを知っている方も多いと思います。煮物や佃煮などが有名でしょうか?「採集したまま、生で食べるには苦すぎて、食用には適しません。食用にするには『あく抜き』が必要です。」とあった。植物によって「あく」の成分も様々ですが、ツワブキの場合はピロリジンアルカロイドという成分が含まれているらしく、多量に摂取すると肝機能障害を起こすとの事です。
そこで、校内に咲いているツワブキを一度味見してみることにしました。もちろん生で。口の中にいれて嚙んでみると、やや「えぐみ」を感じる程度で、意外にもほとんど苦くありませんでした。(自分の肝臓は大切にしたいので、食べてはいません。)ただ、この一例だけで結論を出すことは避けるべきで、個体差(ツワブキの個体差および味を調べている人間の側の個体差)や季節による違いなど、さまざまな要素を検討して初めて、ツワブキは生でも苦くない、と結論付けるべきところでしょう。
【問題】 植物にはいろいろな有毒成分が含まれている場合があります。どんなものがあるか、挙げてみよう。
生物の教科書には「植物の防御応答」という学習項目があり、ここには、植物が昆虫などの食害から身を守るため、タンパク質分解酵素阻害物質を合成する例が挙げられています。昆虫がそのような植物を食べても、それを消化することができなくなる、ということです。
有毒物質を介した生物たちの関係も、これまた興味深いものがあります。
【キーワード】(植物の)あく 植物の防御応答