みなさん、こんにちは。
この企画。本校の個性あふれる教職員の紹介とともに、どうぞ!
第30弾は、授業も部活も全力投球!国語科の若井安称先生です!
若井 安称
氏名:若井 安称
教科:国語科
部活:高校ダンス部、中高女子ラクロス部
座右の銘:自分の機嫌は自分でとる。
推しは推せるうちに推せ。
将来の夢:ふくろうさんと暮らすこと。
『神さまのビオトープ』
著者:凪良ゆう
❶この本を読んだきっかけ
私はずっとミステリーが1番好きな人間なのだと思って生きてきましたが、紀伊國屋さんの方が本校にいらした際おすすめしていらっしゃった『汝、星のごとく』という作品を読み、そのあまりの良さに、「凪良ゆうさんが執筆された本をもっと読みたい!」と思ったことがきっかけです。もちろんミステリーも好きですが今は凪良さんの作品が1番好きです。
❷かんたんな内容
うる波は、事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らしている。彼の存在は秘密にしていたが、大学の後輩で恋人どうしの佐々と千花に知られてしまう。うる波が事実を打ち明けて程なく佐々は不審な死を遂げる。遺された千花が秘匿するある事情とは? 機械の親友を持つ少年、小さな子どもを一途に愛する青年など、密やかな愛情がこぼれ落ちる瞬間をとらえた四編の救済の物語。(講談社BOOK倶楽部より)
❸おすすめする理由
じんわりと心が温かくなる本だからです。
裏表紙のあらすじを読み、最初は、「夫の幽霊と暮らすってどういうこと…?」と思いましたが、読み始めてすぐにその違和感は消え、世の中が決めた正しさに傷つけられながらも信念を持って強く生きている主人公に、ものすごく好感を持ちました。正直、「②かんたんな内容」を読むより、とりあえずこの作品のはじめの数ページだけでも読んでください、という気持ちです。世間に受け入れられがたい歪さを抱えた人々のさまざまな愛の形が描き出されているため、しんどい気持ちやつらさを感じている人にこそ読んでほしいです。
❹みんなへのメッセージ
当時、大阪大学文学部・文学研究科長をされていた金水敏教授が2017卒業・修了セレモニーでお読みになった式辞に、次のようなお言葉があります。
「文学部の学問が本領を発揮するのは、人生の岐路に立ったときではないか、と私は考えます。」
人は誰しも壁にぶつかることがあります。そんなとき、勇気や元気、心の安息をもたらしてくれるものが文学です。一口に文学といっても、さまざまなジャンルがあります。古典や近現代文学のような日本文学もあれば、海外文学や東洋史・西洋史、哲学、美学などの研究科が文学部に設置されている大学もあります。
そして、本を読むことはそのさまざまな文学にふれるためのひとつの手段です。もちろん、ほかにもさまざまな手段はありますが、まずは読んでいて「面白い」「もっと読みたい」と思える本に出会うところからはじめてみてください。そして、いつかの自分のために、自分にあった文学との関わり方を見つけてください。そうすれば、きっと文学がみなさんの心を救ってくれるはずです。