大阪国際中学校高等学校

キャンパスの生きものたち 10 『 サザンカ 』

 花の少ない冬。校内に植栽されている植物を生徒に紹介する場面にて…

私  「この赤い花の名前、わかる?」

生徒 「…」

私  「では、ヒント。童謡『たきび』の2番の歌詞は?」

生徒 「…」

 無理もない。たき火をしている光景を見なくなって久しいものです。そう言えば、垣根の曲がり角も、しもやけになった子も見かけません。そもそも、今どき、落ち葉を集めてたき火をしたら、近隣の方から苦情をいただくことを心配しないといけません。太平洋戦争中は「たき火は敵機の攻撃目標になる。」「落ち葉も貴重な燃料だ」として、この童謡にクレームがついたらしいです。たき火も時代に翻弄されてきた、と言えるでしょうか。

 閑話休題。サザンカは真冬に咲いています。花を観察するとしっかりとたくさんの黄色い花粉を作っているのがわかります。しかし、こんな真冬に誰が花粉を運ぶのか?と疑問に思いませんか。可能性として考えられるのは恒温動物である鳥類、おそらくこのあたりではヒヨドリやメジロが候補に上がりそうです。確かに、ツバキとサザンカの花粉媒介に重要な生物は鳥類であるという報告もあるようです。しかし一方で、日本植物生理学会HPを参照すると、Q&Aのコーナーに同様の質問が寄せられており、回答者の酒井章子氏(京都大学生態学研究センター)によると、まだ検討の余地のある問題だという事でした。意外にも、まだはっきりとしたことはわからない、というのが実態のようです。

 

【問題】植物は種によって花を咲かす時期、咲かせ方(パッと咲いてパッと散るもの、長い期間咲いているもの、など)が異なります。このことについて気づいたこと、不思議に思うことを挙げてみてください。

 

 さて、サザンカと動物の関係に関して、もう1件。毒蛾として有名なチャドクガ、このガはサザンカを含むツバキ科の植物を食草にしており、しばしば庭などに植えられたサザンカに大発生することが知られています。サザンカについている毛虫や蛾(成虫)には注意してください。もし校内で見かけても、手を触れないで、理科室にご一報を。

 

【キーワード】 花粉媒介  恒温動物  食草

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