ナミアゲハの蛹が羽化しました(実はこれで2頭目)。
成虫を空に放す瞬間はけっこう胸にじーんとくるものがあります。今後、校歌の「とーびーたて、大阪のおーおーぞーらーへー」と歌うとき、私の胸には初めて大空に飛びたつ、このナミアゲハの姿が去来することでしょう。
生物部には「ナミアゲハ・愛」にあふれる部員がいて、昨年、その部員が手塩にかけ、数匹の幼虫を蛹にまで育ててくれました。蛹は生物実験室で越冬し、この時期にめでたく羽化したわけです。羽化したての成虫の翅は傷ひとつなく、とてもきれいなのが写真でお判りいただけますか?
ナミアゲハは春に羽化する個体(春型)と夏に羽化する個体(夏型)で形態が異なることが知られており、これを季節型といいます。春型はやや小型で斑紋の黄色い部分が多いので翅の色が全体に明るく見え、夏型はやや大型で黒っぽい印象の翅をしています。ただ、慣れないとこの区別はちょっと難しいのが現実ですが…。
【問題】 季節によって形質が変わる要因を考えてみよう。
「氏より育ち」という慣用句があります。生物の世界に当てはめると、個体の形質は遺伝子の情報によってすべて決まるという訳ではない、ということでしょう。
生物学では近年「エピジェネティクス」という分野が注目されています。興味のある人は言葉の意味を一度調べてみてください。
【キーワード】(昆虫の)羽化 季節型 エピジェネティクス