みなさん、こんにちは。
この企画。本校の個性あふれる教職員の紹介とともに、どうぞ!
第25弾は、今朝も外野ノックで汗を流した永遠の高校球児・社会科の関健太郎先生です!
関 健太郎
氏名:関 健太郎
教科:社会科(専門は日本古代史)
部活:硬式野球部と茶道部
座右の銘:堅忍不抜、次に繋ぐ
将来の夢:幸せな家庭を築く
『殴り合う貴族たち』
著者:繁田信一
出版社:文春学藝ライブラリー(角川ソフィア文庫でも再版されてるみたいです)
❶この本を読んだきっかけ
大学生のときに古代史関連の書籍をいろいろと読む中でたまたま出会いました。SNSで流れてきて知ったような記憶があったりなかったり、どうやったっけ…?
❷かんたんな内容
諸田玲子氏による巻末の解説を引用させていただきます。
「平安貴族とは、こんなにも破廉恥な、野蛮きわまりない者たちだったのか。これまで思い描いてきた、直衣姿や狩衣姿も美々しく、歌を詠み、恋にうつつをぬかしていた貴公子淑女は、いったいどこへいってしまったの? これでもかと暴かれる衝撃的な出来事のオンパレードに、読者は目を丸くするにちがいない」
❸おすすめする理由
目次がまず面白い。「内大臣藤原伊周、花山天皇の従者を殺して生首を持ち去る」「法興院摂政藤原兼家の嫡流、平安京を破壊する」「三条天皇、宮中にて女房に殴られる」などなど。興味湧くでしょ?(笑)
皆さんが想像する平安貴族とはかけ離れた語句が立ち並んでいるのではないでしょうか。平安時代の授業を受けてから、あるいはこの本を読んでから授業を受けてみると「“この世をば~”じゃねえだろ道長さんヨォ」となること請け合いです。
また、古記録から丹念に事例を拾い集めて書き出された書籍なので、実証的な歴史学とはなにかという観点からみてもとても勉強になる一冊です!
❹みんなへのメッセージ
歴史を無機質な暗記科目としてとらえるのはあまりにももったいない!ひとりひとりの生きている人間が、それぞれの思いを抱えて行動した結果が歴史を作り上げているのです。私は落語や「男はつらいよ」の寅さんが好きですが、そこにあるのは「ま~たバカなことやってるよ、しょうがねえなあ(笑)」という目線であり、それは「人間の駄目さを愛する」ことなんだろうなと私は思っています。教科書に載ってる人物たちも私たちと同じで、完璧人間などではなく何が正解かわからない状態で悩みながら前に進んでいるんですよね。「人間を愛する」目線を持つと歴史の勉強は一気に楽しくなります。この本を読み、平安貴族の駄目なところを知ることでその感覚を少しでもわかってもらえると嬉しいです。