皆さん、おはようございます。令和6年度の行事も今日の終業式をもって終わります。この一年間を振り返って皆さんはどんな年だったでしょうか。
2月28日に高校、3月8日に中学校の卒業式をそれぞれ執り行いましたが、いずれも厳粛で感動的な素晴らしい式でした。在校生代表として参加した人もいますが、きっと先輩たちの立派な姿を見て、来年、再来年は自分たちがその時を迎えるんだと感じた人もいることでしょう。
また、3月13,14日には高校2年生と中学2年生が立志式と発志式をそれぞれ開催しました。昨年に続いて第2回目でしたが、高校生は2,000字、中学生は1200字の「志論文」を書いて、それをクラスのみんなの前で発表しました。
発表者はそれぞれ緊張しながらも、しっかりと自分の想いを自分の言葉で述べていました。中学生はまだまだ「志」が抽象的なのものが多かったのですが、高校生はかなり具体的で、自分の志の実現に向けての決意表明をしっかりとしていて、これからの将来が楽しみです。
中1、高1の皆さんは、1年後は君たちの番です。1年といってもあっという間です。この春休みから一度将来のことを真剣に考えてみてはどうでしょうか。
ちなみに、1階の職員室前、ICT教室入り口の横に、志論文コーナーがあり、昨年の立志式で発表された1期生全員の志論文集が置いてあります。ぜひ一度参考に読んで見てください。
さて、これまでも、校舎のいたるところに記された著名人の言葉や名言などの数多くの「言葉のサイン」についてお話をしたことがあります。高校の卒業式で紹介した言葉のサインなのですが、在校生の皆さんにもぜひ紹介したい言葉があります。
To climb steep hills requires a slow step at first.
これはシェイクスピアのヘンリー8世の中に出てくる一節で、「険しい丘に登るためには、最初にゆっくりと歩くことが必要である。」という意味です。
人生には山あり谷ありです。これからの長い人生の中で、皆さんが思い描いたそれぞれの志を実現するために、乗り越えないといけない様々な苦難に直面することがあると思います。その時に、決して焦らず、じっくりと先を見据えながら一歩ずつ前進することが大切です。時には失敗や挫折を味わうこともあるでしょう。少し回り道をすることも必要かもしれません。目指すゴールを見失うことさえなければ、必ず志を実現できる、そう自分に言い聞かせるのです。つまり、最後まであきらめず自分の可能性を信じることが大切です。
中学3年間は義務教育ですから、生きていく上で必要最小限の知識を学び、将来の夢や目標を具体的に考える始める時期です。そして、高校3年間というのは、まさに皆さんの夢や志を実現するためにそれぞれの進路希望に応じて学習をする時期です。ただ、高校で学習する内容は、単に受験に必要だからとかではなく、将来の人生を豊かにするものです。様々な分野のことを学ぶことで、知識や教養が豊かになり、興味・関心の幅が広くなり、人と話をするときの話題も広がります。そしてコミュニケーション力が身に付き、そのことが社会へ出た時に必ず役に立ちます。ぜひこのことを意識して、これからの中学校、高校それぞれの生活を送ってほしいと思います。
最後にもう一つ皆さんに伝えたい言葉があります。
「Tomorrow is another day.」
この言葉は、あの不朽の名作である映画「Gone with the wind.(風と共に去りぬ)」のラストシーンで、主演のビビアン・リーが演じるスカーレット・オハラが言ったセリフです。この映画の舞台はアメリカの南北戦争のころなのですが、戦争で何もかも失った主人公が、「今がどんなに辛くても、明日という日は必ず訪れる。だから決して諦めずに、希望を持って明日を生きていこう」という強い決意を込めた言葉です。皆さんもきっとこれから、勉強のこと、部活動のこと、友人関係など様々な困難にぶつかることでしょう。どんなにつらいことがあっても、明日という日は必ず来るのです。「明日」という字は明るい日と書きます。過去のつらい経験をいつまでも引きずらず、その試練を乗り越えて明日からは気持ちを切り替えてポジティブに生きていこうとする、この主人公の生き方をぜひ参考にしてほしいと思います。
明日からは、春休みに入り、4月からはそれぞれ2年、3年へと進級します。そして、新入生が後輩として入学してきます。ぜひ先輩である君たちが模範となるよう、校訓「人間をみがく」の精神を忘れず、「時を守り、場を清め、礼を正す」という言葉を意識して、みんなの力でこの学校をよりよくしていけるよう頑張っていきましょう。
4月にまた元気な姿で会えることを楽しみにしています。以上で3学期の終業式の式辞といたします。