大阪国際中学校高等学校

キャンパスの生きものたち 14 『 カイコガ(幼虫) 』

各校で飼育している生物の教材を持ち寄って交換する研究会のイベントに参加してきました。本校からはちょっと増えすぎたプラナリアを他校に提供し、その代わりにいろいろな生きものをいただいてきました。興味のある人は一度見に来てください。

さて、今回いただいてきた生きもののひとつに蚕(カイコ)がいます。一般に「蚕」とよばれているのはカイコガという蛾の幼虫です(念のため)。私見ではありますが、結構見ていても飽きない愛らしさのある生きものです。

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人間がカイコガを飼育してきた歴史は4000年あるいは5000年以上とも言われ、そのため現在のカイコガは飼育環境下でなければ生きていけなくなってしまいました。例えば、成虫は一応、他のガと同じような姿はしているものの、自らの体重を飛翔させるだけの筋肉がなく、飛ぶことはできません。

ご存じの通り、繭をつくって、その中で蛹になります。この繭から人間は絹糸を得てきました。1個の繭から取れる絹糸は実に1km以上(約1500mという話もある)であるとか。数年前、社会科の先生が繭から生糸を作るキットを持って来られ、理科室でやってみようということになり、私も参加させてもらったのですが、これが結構大変な作業でした。1個の繭を手作業ですべて生糸として紡ぎ出すのに1時間半ほどかかった記憶があります。

 

【問題】 生糸は何からできているのでしょう?

 

化学繊維の普及により、養蚕業は衰退しましたが、近年、高いタンパク質合成能力をもつカイコに再び注目が集まっているそうです。例えば、遺伝子組換え技術により特定のタンパク質を合成できるようにしたカイコから医薬品などの実用的なタンパク質を得る方法が研究されているとか。

そう考えると、まだまだ人間の生活に欠かせないパートナーでいてくれる生きものなのかも知れません。理科室のカイコ達に「これからも、よろしく」と、声をかけたくなります。

 

【キーワード】 絹糸  タンパク質合成  遺伝子組換え技術

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