花の少ないこの時期に群生して咲く白い花は人々の目を引くものです。校内のスイセンが花をつけました。
スイセンには植物体全体に有毒成分が含まれています。もちろん食べてはいけない植物ですが、接触によって皮膚炎が起こる場合もあり、素手でむやみに触ることも慎んだ方がよいと言われています。葉がニラに似ていることから誤って食べられ、中毒を起こす事故が報告されることがあります。簡単な両者の識別ポイントは以下の通り。
スイセン … 葉が厚く、匂いはない。根は球根になっている。
ニラ … 葉が薄く、ニラ独特の匂いがある。根はひげ根となっている。
スイセンの学名はNurcissus tazetta。学名の前半は「属名」、後半は「種小名」といい、我々で言えば姓と名のようなものです。属名のNurcissusはギリシャ神話に登場するナルキッソスに由来します。
【問題】 生物にはなぜ「学名」がついているのでしょうか?
ナルキッソスと言えば美少年。池の水面に映った自らの姿に見とれ、花になったというお話、または水面に移った自らの姿に口づけしようとして、水に落ちて死んだとかいう話が残されています。「ナルシスト」や「ナルシシズム(ナルシズム)」(“自己愛”と訳されることが多いでしょうか)という言葉はこのナルキッソスからきているのは周知のことでしょう。
うつむくような姿でひっそりと咲くスイセン、皆さんはどのようなイメージでご覧になっているでしょうか。
【キーワード】
球根 ひげ根 学名(属名、種小名)