養護教諭、加藤です。
先日、実家の母から電話がありました。高齢で呼吸器系の基礎疾患をもつ母が、新型コロナに感染したら大変だとかねてより心配していましたが、私の心配とは裏腹に母の用事は出産を控えた孫娘に激励の言葉を伝えたというものでした。
翌日(3/28)の読売新聞朝刊に「コロナも多様性の一つ」として、東京大学名誉教授 養老孟司先生の解説が載っていました。「…世の中も自然も、思うにまかせぬものですから、起こったことはしょうがない。その結果をいかに利用し、生き方を見直すかで先行きは違ってくる。…」…う~ん、相変わらず難しい。
そんな中で、私が気になったのは「マスクの習慣があった日本と、なかった欧米」という一節。日本では“咳エチケット”という表現があるように、マスクの効果は(細菌やウイルスに)感染している人が他者にうつさないためにという意味合いが強いように思います。既に咳など症状のある人がマスクをすると、息がしづらく苦しいと感じる場合もあるでしょう。それでも、他の人にうつさないために“咳エチケット”。感染拡大を抑える鍵は“他者への思いやり”なのかもしれない…と、養老先生の解説を読んでふとそう考えたのでした。
だとすれば、母は大丈夫…と改めて、この時期に自分の心配よりも他者に思いを寄せている母のことを考えた私でした。生徒のみなさんにも、心配な人・気になる人がいるでしょう?大切な人のために、自分は決して感染の媒介にはならない!とのひとり一人の決意と思いやり。今、そのようなことが大事なのかもしれません。
written by 養護教諭 加藤